酸の特徴は大体一緒
酸というと大体の効果が【引き締め・結晶化(架橋効果)・Phを下げる】という特徴になります。
髪の毛に対して良い効果というのは、【艶感・ハリコシ感】を出すことができ、疎水化することができます。
健康な髪の毛は水を弾き、ダメージ毛は親水性で水を吸いやすくなってしまうので擬似健康毛に近づけるわけです。
デメリットとして【ガサガサゴワゴワ感・濡れてる時の指通りの悪さ・毛先の引っ掛かり】が目立ちます。
その酸のデメリットをどう解消するか。合わせる成分も重要になりますね。
セラックは最も艶がでる酸
酸の種類によって光の屈折率が変わります。
屈折率が高いほど光沢感(艶)が強くなるわけですが、最も艶感の出る酸としてはセラックがあります。
酸としては少し特殊ですが樹脂酸というものでして、コーティング力が高く、ハリコシもしっかり出るんですね。
扱い方も特殊で、知識がないと硬くなってしまいガサガサになります。
上手に扱えれば柔らかさはありつつもハリコシを出すことができ、光沢感をだせます。
疎水化して艶々さらさらヘアにすることが出来るということです。
セラックのアイテムもいくつかありますが、ケミカルの大先生からとても優秀なプロ商材がでてますのでそちらを使わせて頂いてます。
特にハイダメージの毛先のケア剤として使用してます。全員に使用するようなものではないですね。
クエン酸でバッファー効果
バッファーというのは、アルカリに傾いてしまった髪を酸性に寄せ、髪本来のPHに戻すことです。
酸度が強い過剰なバッファーは逆に髪を痛ませかねないので注意が必要ですね。
酸の中には熱を加えるとアルカリに戻ってしまったりする成分もあり、バッファー効果が実はなかったということもあります。
バッファー効果を狙うならクエン酸で十分でしょう。
ジマレイン酸で架橋効果
ジマレイン酸は毛髪のケラチンと結合する効果を持ち、毛髪の軟化・膨潤を抑えます。
カラー剤に入れたりすることで、過剰な軟化を抑えダメージを抑制するということですね。
ただし配合しすぎると髪が希望の明るさにならないことがあるので、配合量は注意が必要です。
後処理としても有効で、薬剤施術後の不安定なケラチンの架橋剤として効果を発揮することが期待できます。
グルコン酸亜鉛で軟化を抑える
グルコン酸亜鉛は毛髪の表面の引き締め効果が高いです。
例えばブリーチや縮毛矯正をして、毛髪が軟化・膨潤しすぎてしまっているとします。
何もしなければこのまま傷みが酷くなってしまうので流したいわけですが、まだ希望の明るさだったり、癖が伸びてなかったりの状態が多いです。
そんな時に瞬時に毛髪の軟化や膨潤を抑え、かつ緩やかに薬剤の効果は進行してくれるもの、が欲しいわけです。
内部の働きを阻害しすぎないグルコン酸亜鉛が有効できるということですね。
リン酸でキレート効果
髪の毛の質感が悪かったりダメージを促進させてしまう要因の一つとして、金属イオンがあります。
金属イオンを除去することをキレートといいます。
キレート効果のあるものはいろいろとあるわけですが、欲をいえばキレートしつつ髪質も良くしたい。
そんな欲を叶えてくれる酸が、リン酸ということですね。
リンというのは人体に存在し様々な働きを担ってくれています。
例えば、リン脂質はお肌をきれいに保つために欠かせないものですね。
リン酸も同様に、髪の毛がすべすべしてくれるとてもいい質感を持ちます。
没食子酸で髪のハリコシUP
没食子酸とはポリフェノールの一部で、髪にハリコシを持たせる効果があります。
身近な例でいえば、ヘナカラーをすると髪の毛にハリコシがでるのですが、それはヘナがポリフェノールだからです。
そのポリフェノールの何がハリコシをもたらしてくれるのかというと、没食子酸という成分になります。
没食子酸はケラチンのシスチンと強力に結合する力があります。
くたくたになってしまった毛髪に芯を与えることができるので、かなり効果の高いハリコシ効果が期待できるということです。
美容室ではタンニンという赤い色素をもったポリフェノールを使用することもあります。
とても効果が高いのですが、赤い色素が残るので寒色系カラーの場合に色味が濁る可能性があります。
またゴワゴワ感が強く質感がちょっと悪いので、使いどころが少し限られます。
色味が薄く質感がごわつかない没食子酸があれば、髪質改善のクオリティが上がること間違いないですね。(実はあります)
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